氷河期に原始人はどうやって氷点下30度の夜を耐え抜いたのか|寝床・服・家・体温の工夫を徹底解説
いまからおよそ2万年前。氷河期のいちばん寒い時期、いまのロシアやウクライナにあたる平原では、いちばん寒い月の平均気温が、氷点下30度前後まで下がったと考えられています。
森はほとんどなく、一晩中火を燃やし続けるだけの薪も、手に入りにくい土地でした。
暖房も電気もない時代の人々は、そんな夜を、どうやって朝まで眠ったのでしょうか。
暖かさのもとになっていたのは、焚き火だけではありません。人の体そのものでした。
体の熱を逃がさない工夫と、体の中で熱を作り、みんなで分け合う工夫。
氷河期の遺跡と研究をもとに、その2つの工夫を、ひとつずつお答えします。
▼この動画でわかること
・氷河期の冬は、どれほど寒かったのか(いまより20度から29度も低い冬)
・薪の少ない平原で、何を燃やしていたのか(骨は木より長く炎を上げる)
・地面を掘った狭い家が、暖かかった3つの理由
・マンモスの骨で造った住まいと、住まいではなかった巨大な骨の円
・7万7000年前の植物の寝床と、凍った地面から体を離す工夫
・骨の針で体に合わせて縫った、3万年以上前の服
・1人およそ100W。人の体が、家を暖める熱のもとになるしくみ
・狭い家で火を焚いて、息苦しくならなかったのか(まだわかっていない謎)
・人は冬眠していたのか
▼目次
0:00 暖房も電気もない時代、氷点下30度の夜をどう眠ったのか
2:11 氷河期の冬は、どれほど寒かったのか
5:15 薪の少ない平原で、何を燃やしたのか
7:42 家は、地面を掘って、狭く造った
10:36 マンモスの骨で造った住まい
12:09 大きな骨の円は、長く住む家ではなかった
15:25 寝床は、地面から体を離した
17:39 服は、縫って体に合わせた
20:45 熱を作っていたのは、人の体
21:50 狭い家で火を焚いて、息苦しくならなかったのか
22:59 脂肪の多い食べ物と、寄り添って眠ること
25:52 長い冬の夜を、どう過ごしたのか
27:35 人は冬眠していたのか
28:54 まとめ
▼コメントをお待ちしています
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年号や数字は、論文や記録で確かめています。わかっていないことや、説が分かれていることは、分けてお伝えしています。
絵と音声の作成にはAIを使っています(語りは、運営者本人の声をもとにした音声です)。
遺跡・出土品などの絵は、AIで描いたイメージで、実物の写真ではありません。
内容に誤りがあれば、コメント欄でお知らせください。
▼この動画のもとにした研究・記録
1. Tarasov, P. E., et al. (1999). Last glacial maximum climate of the former Soviet Union and Mongolia reconstructed from pollen and plant macrofossil data. Climate Dynamics, 15, 227–240.
(約1万8000年前のロシア・ウクライナでは、いちばん寒い月の平均気温が、いまより20〜29度低かった)
2. 東ヨーロッパ平原の中央部の、過去2万2000年の景観と気候の復元(Water Resources, 2021)
(最終氷期最盛期の年平均気温は氷点下6度ほどで、永久凍土が広がっていた)
3. Théry-Parisot, I., Costamagno, S., et al. (2005). The use of bone as fuel during the Palaeolithic, experimental study of bone combustible properties.
(新しい骨は木より長く炎を上げる。骨だけでは火がつかず、木が要る)
4. Chu, W., Shydlovskyi, P., Maier, A., et al. (2025). A revised radiocarbon chronology for the mammoth bone structures and associated features at Mezhyrich, Ukraine. Open Research Europe.
(メジリチの骨の住まいは約1万8000年前、使われたのは長くても400年あまり)
5. Pryor, A. J. E., et al. (2020). Chronology and function of a new circular mammoth-bone structure at Kostenki 11. Antiquity, 94(374), 323–341.
(直径約12.5mの骨の円、約2万5000年前、炭になった木・焼けた骨・植物の種)
6. コステンキ11の39点のマンモスの骨の分析(2024年、bioRxiv・査読前の論文)
(骨の年代にばらつきがあり、古い骨も集めて使っていた可能性)
7. Wadley, L., et al. (2011). Middle Stone Age bedding construction and settlement patterns at Sibudu, South Africa. Science, 334, 1388–1391.
(約7万7000年前の植物を重ねた寝床、虫よけの葉)
8. Gilligan, I., et al. (2024). Paleolithic eyed needles and the evolution of dress. Science Advances, 10(26).
(穴のあいた骨の針は約4万年前のシベリアが最も古い。骨の錐は約8万年前のアフリカ)
9. スンギール遺跡(ロシア)の埋葬と服の復元の研究
(ビーズの列から、上着とズボンを重ねて着ていたと考えられる)
10. Leonard, W. R., Snodgrass, J. J., et al. (2005・2014). シベリアのヤクートの人々の基礎代謝の研究. American Journal of Human Biology.
(休んでいるときに使うエネルギーが予想より高く、若い人は冬に約6%高い)
11. Wiessner, P. W. (2014). Embers of society: Firelight talk among the Ju/'hoansi Bushmen. PNAS, 111(39), 14027–14035.
(昼は不満・批判や暮らしの話、夜に大勢が長く話した会話の81%が物語)
12. Bartsiokas, A., & Arsuaga, J. L. (2020). Hibernation in hominins from Atapuerca, Spain half a million years ago. L'Anthropologie, 124(5).
(冬眠説と、その説への疑問)
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